公害防止 PR

【水質有害物質特論】 攻略法 【戦略編】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

公害防止管理者試験の水質関係第1、2種には水質有害物質特論という非常に難しい科目があります。

この科目を合格するためには戦略的に勉強を進める必要があります。
しかし、かなり細かい内容も問題に出るためか、販売されている本などで効率よく勉強できる方法を記した本は見かけません。

そこで、私が勉強しているときにこういう教材があったらな~と思ったことをご紹介しようと思います。

合格のお役に立てれば幸いです。

なお、私の情報を伝えておきますと、水質有害物質特論は15問中14問正解していました。(2019年)

水質有害物質特論の問題構成

まず、基本情報として水質有害物質特論の問題構成をご説明します。

問題は15問出題されます。
合格ラインが60%以上と言われているので9問正解すれば科目合格できると思われます。

次に出題範囲です。
公式テキストでは18章、およそ170ページの範囲から出題されます。
18章の内訳は以下となります。

1  有害物質処理技術の概要
2  カドミウム・鉛排水の処理
3  クロム(VI)(六価クロム)排水の処理
4  水銀排水の処理
5  ひ素排水の処理
6  セレン排水の処理
7  ほう素排水の処理
8  ふっ素排水の処理
9  シアン排水の処理
10 アンモニア・亜硝酸・硝酸排水の処理
11 有機りん(農薬)排水の処理
12 農薬系有機化合物排水の処理
13 ポリ塩化ビフェニル(PCB)排水の処理
14 有機塩素系化合物排水の処理
15 ベンゼン排水の処理
16 1,4-ジオキサン排水の処理
17 水質有害物質処理装置
18 有害物質測定技術

非常に多い範囲ですが、出題される問題数の内訳は1~17章の範囲で10問18章の範囲で5が基本となっています。

前半、1~17章の攻略

では、出題の半数以上、10/15問を占める1~17章の解説に移ります。

問題の出題形式としてはほとんどが1つの章から1問出題される方式です。
例えば、平成28年度の問7は10章からの出題です。

問7 アンモニア排水の物理化学処理法として、不適切なものはどれか。

(1) アンモニアストリッピング法
(2) 不連続点塩素処理法
(3) イオン交換法
(4) 煮詰法
(5) 触媒分解法

しかし、1~2問ほど複数の章から出題されることもあります。
例えば、同じく平成28年度の問5は5つの章にまたがっていました。

問5 次の排水のうち、活性炭吸着法を適用することが最も不適切な排水はどれか。

(1) 鉄シアノ錯体排水
(2) PCB排水
(3) ほう素排水
(4) 有機りん(農薬)排水
(5) 有機塩素系化合物排水

この問題は、上から9、13、7、11、14章から出されています。

このような2種類の問題が出題されます。
そして、各年に出題された章をまとめたので、次にご紹介します。

1~17章の出題傾向

下の表に平成27年からの出題傾向をまとめました。
表の数字は問の番号を、複数問題の場合は選択肢を()に書きました。
また、1つの章から出た場合は1、複数問題の場合は0.5とし、毎年各章で何問出題されるか大まかに計算してみました。

各章 H27 H28 H29 H30 R1 出題確率 [問/年]
1 概要 1,2 1 1,2 1 1,2 1.6
2 Cd,Pb 2,9(1) 3 2 3(5) 0.8
3 Cr(VI) 3,4 3 3 4 1
4 Hg 4,9(2) 4 4 5 0.9
5 As 5 9(3) 5 6 0.7
6 Se 6 6 3(1) 0.5
7 B 5(3) 7(1,2) 5 3(2) 0.5
8 F 9(4) 7(3~5) 10 0.4
9 シアン 7,8 5(1),6 8 6,7 7 1.5
10 窒素系 7 10(1) 8 0.5
11 P 9 5(4) 8 3(3) 0.6
12 農薬 0
13 PCB 5(2) 0.1
14 有機Cl 10 5(5),8 9,10(2,3) 9 3(4),9 1.3
15 ベンゼン 9(5) 10(5) 0.2
16 ジオキサン 10(4) 10 0.3
17 処理装置 10 0.2

上の表では毎年出題されると予想される章を黄色で、隔年ごと、あるいは複数章にまたがって出題されると予想される章を青で色付けしました。

黄色の章は合計で4章あり、全ての問題が正解すれば5.4問正解することになります。
さらに、青色の章7章あり、青色の章の問題を全て正解すれば4.5問正解することになります。

つまり、黄色と青色の章を完璧に記憶することが出来れば水質有害物質特論は合格することが出来ます。

そのため、基本的には黄色の章を確実に記憶し、青色の章をある程度勉強すれば高得点が期待できます。

後半、18章の攻略

では、つづいて後半18章の攻略に移ります。

18章は約90ページと長いため、この章だけで5問出題されます。

18章は1~17章の有害物質をどのように測定するかが記載されています。
18章の中に1~17章が含まれているというイメージです。

後半5問の特徴も前半と同様です。
後半は1つの節から1問出題される形式と、複数の節にまたがった問題が出題される形式です。

18章の出題傾向

先ほどと同様に各年の問題から18章の出題傾向をまとめました。
なお、18章の問題には下の例のように「正しい物はどれか」という問題が出されます。

問13 検定法として高速液体クロマトグラフ法が規定されている有害物質はどれか。

(1) チウラム
(2) ベンゼン
(3) アルキル水銀化合物
(4) チオベンカルブ
(5) 有機りん化合物

この問題の場合、不正解の選択肢はある意味なんでも良いと考えられるため
「(12(2))」のようにすべてを()でおおい、出題確率の計算には含めないようにしました。

 

各節 H27 H28 H29 H30 R1 出題確率 [問/年]
1 GC 11 11,12(1) 11 0.7
2 GC-MS 12(2) 12 0.3
3 HPLC 12(3),13 0.3
4 IC 12(4) 12 0.3
5 薄層C 12(5) 0.1
6 Cd 14 11(1) (12(3)) 0.3
7 Pb 15 14(1) 0.3
8 Cr(VI) 13(1) 11(2) 13 (12(1)),14(2) 0.5
9 As 14(3) 0.1
10 Hg 14 0.2
11 アルキルHg (13(3)) 0
12 Se 14 14 0.4
13 B (12(5)),13(2) 13 0.3
14 F 12(1),(13(3)) (14(5)) 0.1
15 シアン 13(4),15 11(3) 12(2),15 0.7
16 窒素系 12(2~4),13(5) 15 0.4
17 P 11(4),(13(5)) (12(5)) 0.1
18 チウラム 13(1) 11(4) 14(4) 0.3
19 シマジンなど 13(4) 0.1
20 PCB (11(5)) (12(4)) 0
21 Cl、ベンゼン、ジオキサン 11(5),(13(2)),15 11(1~3) 0.4

表を見ていただくと分かると思いますが、前半の問題と異なり出題範囲はかなり散らばっています。
また、節にまたがった問題が多く出題されており、特定の節を集中的に学ぶというよりも、まんべんなく勉強する必要があることが分かります。

しかし、18章は体系的に学ぶことができ、なんとなく学ぶよりもはるかにわかりやすく頭に入れることが出来ます。

次の記事からは、18章も含め、1~18章を分かりやすくご説明したいと思います。

まとめ

以上の情報をまとめます。
まず、出題数は15問です。
1~17章から10問。18章から5問出題されます。

まず1~17章についてまとめます。

  • 1~17章には出やすい章が存在する。
  • 1,3,9,14章からはほぼ毎年出題される。
  • 1,3,9,14章から出題される問題を全て正解すれば5.4問正解する見込み。
  • 2,4~7,10,11章からは隔年あるいは複数の章にまたがった問題として出題される。
  • 2,4~7,10,11章から出題される問題を全て正解すれば4.5問正解する見込み。

 

つぎに18章についてまとめます。

  • 18章は極端に出やすい節はない。
  • 1,8,15節は比較的でやすい。
  • 1~17章と異なり、全ての節を勉強する必要がある。
  • ただし、体系的に学ぶことができる。

効率的な勉強法の案

全ての情報を集約すると下の順に勉強をすると効率だと考えられます。

  1. 1,3,9,14章を読み込み、完全に理解する。
  2. 2,4~7,10,11章を次に読み込みある程度理解する。
  3. 8,12,13,16,17章を軽く読んでおく。
  4. 18章の1~5節を読む。第1節のGCは厚めに読み込む。
  5. 8,15節を読み込む。
  6. そのほかの節を読む。出題確率が0.3以上は少し厚めに読む。

手順の解説をします。
まず、1,3,9,14章からはほぼ毎年出題されることが分かっているため、間違えたくはありません。
また、全て正解すれば5.4問正解する見込みがあります。
合格ラインは9問以上なので、全て正解することでかなり負担が少なくなります。

次に、2,4~7,10,11章も出やすい章となっています。
こちらもすべて正解すると4.5問正解する見込みです。
①と②を完璧に遂行出来ればそれだけで合格ラインの9点を超える見込みとなります。
そのため、①②に力を注ぎたいところです。

次に③です。
出る可能性が少ない章ですが、読み飛ばすと18章を呼んでもイメージが付きづらいため軽くでも読んでおきましょう。

そして、④です。
機器の説明の節ですので、読まなければその後の各物質の測定方法のイメージが付きません。

⑤では、18章で比較的出やすい節を読み込んで、正答率を上げられるようにしておきましょう。

⑥をすることで18章の全体の内容をカバーします。

以上が、私が考える効率の良い勉強方法です。

なお、問題はすべて公式の本の中から出題されるため、
お高いですが買っておいた方が良いです。
私の記事を読めば合格できる!というクオリティーにしたいですが、
問題はかなり隅っこの方からも出題されます。
カバーしきれるかはわかりません。

しかし、公式の本では理解に時間がかかるので、私が分かりやすくご説明したいと思います。