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研究室を変えたことによるメリット、デメリット

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理系の大学生は4年生で研究室に所属することになります。
そして、大学院に行き同じ研究室で研究するということが一般的です。

しかし、4年生の時に所属した研究室が合わなかったり外の世界を知りたいといった方には他の研究室に入るという手もあります。

ですが、大学院に進学する学生の大多数は学部生の時と同じ研究室で同じテーマの研究を続けます。
そのため、研究室を変えるという行動にためらっているかもしれません。

この記事では、研究室を変えることによるメリットデメリットをご紹介したいと思います。

結論を言ってしまうなら、デメリットはほとんどありません

簡単な自己紹介

まず、私の簡単な自己紹介をしたいと思います。

私は地方国立大学の化学専攻に入学しました。
その後、他大学の大学院の研究室で2年間研究を行い、製造業に就職をしました。

なぜ研究室を変えたのか?

私が研究室を変えた理由は三つあります。

  1. 外の世界を知りたい
  2. 研究の質を良くしたい
  3. 就活を有利に進めたい

です。

①の外の世界を知りたいは私の考え方の問題です。
私は色々なことを経験した方が人生が良くなると考えています。
大学は最低でも4年間所属するため、かなり視野が狭くなります。

この視野を広げるため、別の研究室、さらには他の大学に行ってしまおうと考え行動に移しました。


また、研究の質を良くしたいという希望もありました。
私が学部時代に所属していた研究室は資金がそれほど多くなく、また博士課程の人も1、2人だったので専門性が高い人がそれほど多いという状況ではありませんでした。


最後に就活です。
大学を変わる際に、元々いた大学よりも偏差値の高い大学にすることで就活が有利になるかなといった考えも持っていました。
結果的に、この考えは正しかったです。

研究室を変えることによるメリット

研究室を変えることによるメリットは大きく分けて2つありました。

  1. 研究の質が良くなった
  2. 就活が有利になった

以下、詳細に説明していきたいと思います。

なお、これは私の場合、つまり偏差値の高い他大学希望した研究室に移籍した場合です。
実際に入ってみると予想と違ったということが起こる可能性もありますので、事前に研究室訪問などをして調査はしておきましょう。

研究の質が良くなった

研究の質が以前いた研究室よりも格段に良くなりました。
その理由は3つです。

  1. 研究室メンバーの専門性の高さ
  2. 資金の豊富さ
  3. 実験設備

研究室のメンバーの重要性

私が以前いた研究室には博士課程の方が1,2人しかいませんでした。
しかし、新たな研究室には博士課程の人だけでなくポスドクや助教授が居ました。
つまり、専門性が高いメンバーがそろっていました。

研究室に専門性が高い人がそろっているというのは研究の質を高めるうえで非常に重要となります。

研究を進めていくと、どうしても自分だけではわからなかったり、あるいはデータの見方が一方向だけになってしまいます。
そういったときに、専門性の高い人に相談すると、多面的なアドバイスをくれます。
教授に相談すれば良いのでは?と思うかもしれませんが、教授は一般的にかなり多忙なため気軽に質問を出来る存在ではありません。

そんな時に、身近に専門性の高い人がいると相談や議論をすることができるため、研究内容に深みが出ます。

また、アカデミックに進もうと考えている方はアカデミックのツラさも聞くことができたり、ある意味未来の自分が見えているわけなので、将来の判断材料になります。

さらに、博士の人などは論理的思考力が高いため、議論をしていくうちに次第に自分にも論理的な考え方が身についていきます。
正直、この論理的思考力が社会人でもっとも有用になっているスキルです。

資金の豊富さ

新しい研究室は資金も豊富でした。
そのため、やりたい実験をすることが可能でした。

資金の少ない研究室ではやりたい実験があっても、試薬が高価で買えなかったり、新しい設備が導入できなかったりします。

そういったことが無かったため、非常に快適に研究を進めることができました。


また、様々な学会に行くこともできました。

学会は全国から海外までさまざまな場所で行われています。
そうした学会に参加するには、移動費がかかります。
研究資金の少ない研究室ではこの移動費が負担となり、学生は学会に参加することができなくなります。
しかし、研究資金の豊富な研究室なら移動費も大きな負担とはならないため、学生もいろいろな学会に参加することが可能となります。

学会に参加することで、自分の研究の先端度や、他の研究の内容を知ることができます。

実験設備

研究資金と少しかぶりますが、実験設備も研究の質を高めるうえで重要な要素です。

新しい研究室では高性能な実験設備があるうえ、なかなか使うことの出来ない実験装置も使うことができたりしました。

なかなか使うことの出来ない実験装置を使えるということは、他の人が出来ない実験が出来るということです。

就活が有利になった

研究室を変えたことで就活も有利になりました。

新たに所属した研究室では多くの企業と共同研究をしていました。
これは研究している内容が企業の欲する技術であることを意味します。

そのため、共同研究先の企業やOB/OGのリクルーターとのコネがあり、以前所属していた研究室と比較して就活は有利になりました。

また、偏差値の高い大学に入学した影響で学内の就活セミナーに多くの企業が来ており、より就活が有利になったと実感できました。

研究室を変えることによるデメリット

研究室を変えることによるデメリットも当然あります。

  1. 元々の研究室の教授との関係悪化
  2. 研究内容の変更
  3. 研究室メンバーとの関係の再構築

です。

元々の研究室の教授との関係悪化

研究室を変える場合、元々所属している研究室の教授に、研究室を変える気でいることを伝える必要があります。

幸い、私の場合は教授が理解を示して問題はありませんでした。
しかし、教授によっては理解を示さず関係が悪化する可能性があります。
また、課題を増やされて他大学の院試を勉強する時間が確保できないといった可能性もあります。

とはいえ、最近はパワハラなどの問題が重大視される時代ですので、それほど表だった行動をとる教授は少ないように思われます。

研究内容の変更

研究内容の変更が研究室を変えるデメリットでもっとも言及されるデメリットです。

研究室を変えるということは学部生の時に研究していた内容を捨てるということです。
つまり、他の人に比べて1年間の遅れがあるということです。
この遅れが研究室を変えるデメリットとして言われています。

しかし、1年間の遅れはあってないようなものです。
研究をすると分かりますが、1年間で劇的な成果を上げられる人はほとんどいません。
つまり、1年間の研究成果はその後の2年間の頑張りで取り返すことも不可能ではありません。

実際、私や私の同期(他研究室から転籍)はポスター賞などの章を受賞しています。
そのため、学部1年間の研究の遅れはあってないようなものです。

研究室メンバーとの関係の再構築

研究室を変えるということは、研究室のメンバーと新しく関係を築き上げる必要があります。
そのため、昔からある関係に割って入れるか心配しているかもしれません。

しかし、大学の研究室という制度上、昔からある関係性というのはそれほど強固ではない、あるいは存在しません。

研究室には毎年新しく学部生が加わります。
そして、同時に毎年就職などで研究室から出る人もいます。
つまり、人の出入りが激しいのです。

そのため、強固な関係というのはあまり存在しません。

また、研究室は狭い社会なのでよほど態度が悪くない限り、摩擦を生み出さないようにする傾向があります。

ただし、結局は人間関係ですので、絶対というものはありません。
事前に研究室訪問をしてどんな人がいるのか知っておくのが予防策になります。

まとめ

研究室を変えることによるメリットデメリットをご紹介しました。

メリット

  1. 研究の質が良くなった
  2. 就活が有利になった

デメリット

  1. 元々の研究室の教授との関係性の悪化
  2. 研究内容の変更
  3. 研究室メンバーとの関係の再構築

研究室を変えることによるデメリットも、実際にはほとんどありません。
③の研究室メンバーとの関係も、研究室の人間は入れ替わりが激しいため基本的に問題にはなりません。
①に関しては気を付ける必要があります。

元々の研究室の教授との関係性さえ問題なければ基本的にはほとんどメリットだらけですので、今いる研究室に不満がある場合や研究室を変えてみたい場合は研究室を変えることも視野に入れてみてください。