豆知識 PR

研究職と技術職の違い

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

理系学生で理系の会社を希望する人は研究職と技術職という二つの職種を聞いたことがあるかもしれません。
今回はこのふたつの違いについてご説明したいと思います。

会社の構造

まず初めに、会社の構造について説明したいと思います。
多くの製造業では当然工場を保有しています。
また、工場のほかに研究所を持っています。

研究所で新たな製品の開発を行い、工場で製品を量産するという形で会社は動いています。
そして、基本的に技術職は工場で、研究職は研究所で働きます。

研究職の仕事

研究職の仕事は主に新製品の開発や、製造プロセスの効率化となっています。
また、10年、20年先の製品開発を行うためにかなり基礎的な研究を行うこともあります。
会社によっては、製造プロセスの効率化などは研究開発、10年後20年後の製品開発は基礎研究として分けているところもあるかもしれません。
とはいえ、研究職の仕事は、簡単に言うと大学の研究とほぼ変わりません。

大学の研究と異なる点は、速度感およびコストへの意識です。

速度感は従来よりも重要になってくる要素だと思います。
それは競合他社が世界中の企業となり、さらに様々な分野から参入するようになってきたからです。
特に、電子機器などを製造している企業はかなり開発速度が早い業界です。
なお、化学メーカーなど製造プロセスが長年変わらない業界は、比較的開発速度が緩い業界と考えられています。

続いて、コストへの意識です。
当然ですが、良い製品を作ったとしても製造コストが高すぎればいくら売れても利益は増えません。
そのため、コストは常に意識する必要があり、また幹部からも常に質問されます。
なので、大学の研究では高い試薬を使って不純物の少ないものを生み出すなど、理想的な条件を作り出すことが多かったと思いますが、企業では安い試薬を使ってコストが出る程度の理想条件を作り出すことが求められます。

これら速度とコストが大学の研究と異なる点ですが、それ以外は基本的に大学の研究と変わらないと思います。

技術職

技術職の仕事は製品の安定生産や品質管理、製造効率の向上が主な仕事になります。

工場では問題が大なり小なり生じます。
種類としては装置の故障と品質の悪化です。

工場では基本的に常に機械が動いて製品を製造しています。
そのため、故障がたびたび発生します。
程度が軽ければ製造ラインを止めずに済みますが、重ければ製造ラインが止まることになります。
製造ラインが止まるということは、製品が作れないということであり、製品を発売出来ないということです。
そのため、製造ラインが止まっている間は製品が販売出来ないので、常に損失が発生するということになります。

このような故障が生じないように技術職の人は、どうすれば機械が故障しないか、あるいはどうすれば機械の故障タイミングが分かるかなどを研究します。
研究方法としては日々機械の状態をチェックし、データ化し故障する際の共通因子などを探るといったことをしています。

また、機械が故障していないにも関わらず製造した製品に傷が付いているなどの品質の問題が発生することがあります。品質に問題がある商品を販売することは当然出来ないので、品質が悪化した原因を追究し対処する必要があります。
こういった問題の原因を探し当てる仕事も技術職の仕事となります。

さらに、研究職が新たな製品や効率の良いプロセスを開発した場合、既存の設備では生産出来ないため新たな製造ラインを作り上げる必要があります。
こういった、新たな製造ラインを作り上げる仕事も技術職の仕事となります。
この製造ラインを作る仕事は数十億円以上の金額が動くことも珍しくないため、非常にチャレンジングな仕事で技術職の華といえる仕事です。研究職ではこれほどの大金を動かす機会はほぼないため、技術職の特権とも言えます。

出世について

研究職と技術職どちらの方が出世しやすいの?と疑問に思うかもしれません。
出世は明らかに技術職の方がしやすいです。
理由としては技術職の仕事内容が会社の利益に多大な影響を与えるからです。

ただし、ストレスも技術職の方が高い傾向にあります。
製造ラインが止まった場合など、製品が正常に出荷出来ない場合、技術職の人は休日返上や長時間労働をする必要があります。
さらに、幹部や上司からいつ直るのかといったプレッシャーが降りかかってきます。

そのため、技術職の方がストレスは高い傾向にあります。

まとめ

研究職

  • 仕事内容は新たな製品の開発、製造プロセスの効率化、基礎研究
  • 大学の研究とやってることは同じだが、速度とコストを意識する必要がある

技術職

  • 仕事内容は製品の安定的な生産や新規製造ラインの敷設
  • 数十億円規模の額を扱う仕事がある
  • 出世は研究職より良い
  • ストレスは研究職より感じやすい

研究職と技術職のざっくりとした違いは以上となります。
さらに詳しいことは会社説明会で聞くことをオススメします。

就職活動頑張ってください!