減価償却という言葉をご存知ですか?
会社に入って聞いた意味の分からない言葉の一つではないかと思います。
今回は減価償却の意味について自分なりに考えたことを書いていきたいと思います。
会社の価値の考え方
減価償却を考える前に、まず会社の価値はどう評価されるかを考えたいと思います。
成長性やユニークな製品などさまざまな要素が考え付くかもしれませんが、
もっとも数字に残しやすい指標は、その会社が持っている資産と稼ぐ力だと思います。
人で考えると、資産は貯金、稼ぐ力は年収ですね。
資産の考え方
例えば、Aという会社が100万円の赤字を出したとします。
もしA社が口座に200万円しか入ってなかった場合、A社は倒産する可能性が高いと考えられます。
一方、Bという会社も同じように100万円の赤字を出したとします。
しかし、B社の口座に1億円入っていたらどうでしょう?
少なくともB社はすぐには倒産しないと考えられます。
稼ぐ力の考え方
続いて稼ぐ力について考えます。
今度はC社という会社について考えます。
この会社は口座に100円しか入っていないと考えます。
C社は倒産の危険がある会社だと考えられます。
しかし、100億円の利益を出すことに成功したとしたらどうでしょうか?
C社は資産が無いけれど、稼ぐ力が強いので倒産しにくい会社だと考えることが出来ます。
次にD社を考えます。
D社は口座に1億円あるとします。
しかし、毎年赤字を1000万円出しているとします。
毎年1000万円の赤字を出すなら、D社はあと10年で借金を背負うことになります。
そのため、C社よりも資産は有りますが、C社よりも倒産する危険が高いと考えられます。
このように、資産と稼ぐ力のバランスで会社の価値を評価することが出来ます。
固定資産
会社に入ると固定資産という言葉も耳にすると思います。
この固定資産は減価償却を理解する上で重要な要素になります。
では固定資産とはなんでしょうか?
簡単に言ってしまうと、1年以上使えて高価なものです。
例を挙げると、建物や車などがあります。
そして、固定資産というように、資産として考えます。
そのため、固定資産の額が多いほど、売れるものを多く持っているので倒産しにくいと考えることが出来ます。
しかし、建物や車の売値は毎年一定でしょうか?
当然、年数が経つごとに売値は下がっていきます。
ですから、年数が経つごとに固定資産の額を下げる必要があります。
固定資産の額を下げることを減価償却と言います。
また、製造能力を上げるために、1000万円の装置を購入したとします。
その結果300万円かかっていたコストを0円にすることが出来たとします。
つまり、4年間で装置の購入代金以上のお金を稼ぐことが出来るわけです。
しかし、装置を購入した年のことを考えてみましょう。
300万円のコストを下げることが出来たとしても、装置の購入代金のせいで700万円の赤字です。
つまり、見かけ上は大きな赤字に移ってしまいます。
それでは正当な評価がされているとは考えられません。
そこで、固定資産を購入した場合には購入代金をすべて費用として考えるのではなく、
分割した費用を毎年計上するという方式が取られます。
上記の例で考えると、装置の寿命が10年だとします。
その場合、毎年(1000万円/10年=)100万円の価値が減少すると考えられます。
そこで、毎年100万円を費用として計上します。
そうすることで、1000万円の装置を購入しても、一気に1000万円の費用が出ることは無く、100万円という少額の費用で済むことが出来るのです。
以上をまとめると、減価償却の意味は二つあると考えられます。
- 固定資産の正確な評価
- 過剰な費用の抑制
まとめ
減価償却の意味について考えてみました。
正確な資産を見積もるために、資産を減少させること、
および、高価な資産を購入した時の過剰な費用の計上を防ぐ役割をなしていると私は結論づけました。